2012年09月05日

内村航平 エピソードU〜 北京五輪で銀「運良かった」

日本経済新聞 2010/8/30
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO13721060Q0A830C1US0000/
より−

 商人が慣れた手つきで栽くように内村航平(21歳 日体大)は黙々と演技する。ゆか、あん馬・・・そして鉄棒。最終6種目目の着地が決まると、ポーカーフェースにゆっくりと笑みが広がってゆく。

「減点なし=美しい」演技

「大きなミスなく、着地まで決まってよかったです」。ややボソッとした口調は、アンニュイな青年を想像させる、だが、実はかなりの話好きだ。最近映像で演技をチェックした選手から、今はまっていることまで、楽しそうに、何でも答える。

2008年の北京五輪男子総合で銀メダルを獲得。翌09年の世界選手権個人総合を制し、12年のロンドン五輪では日本で最も金メダルに近い選手の一人と目されている。当然、周囲の目は変わった。「北京五輪後、突然、すごい注目されちゃって・・・少し煩わしいそうだが、「やっぱり見てもらえるのはうれしい」。

「北京は運が良かった」と振り返る。北京五輪ではチーム最年少の19歳。気楽な立場だった。元世界王者の富田洋之らに「楽しそうだね」って言われながら、無邪気に大舞台に立つワクワク感に酔っていた。苦手のあん馬で落下したが、あれよあれよと言う間に、他の選手をごぼう抜き。個人総合では、具志堅幸司以来24年ぶりとなるメダルを手にしていた。

「周囲の期待に応えなければ」

今は「周囲の期待に応えなければいけない」という思いが強い。「ただ結果だけを求めてはないから『優勝してこい』とかあまり言われたくないけど、言われないよりはいい」

まだ、さほどプレッシャーは感じていない。「演技中は(それ以外の事は)何も考えないので」。6種目すべてでミスなく、美しい体操を−−。それが内村が全試合で求めるものであり、「体操ニッポン」の信条でもある。体操の採点には加点がなく、あるのは減点のみ。「美しい体操=減点されない演技」と語る。

毎日、6種目すべてを一度は通す。失敗したところは修正して、の繰り返し。単調な作業は「すごいつらい。でもいい結果が出れば、練習は裏切らないってわかるから」。体に染み込ませ、その積み重ねが職人のような演技につながる。人と違う技にトライして目立ちたいという思いも「ちょっとはある」と否定しないが、現実的な思考がそれを排除する。練習時間は限られている、ミスしないための練習が最優先だ。習得に手間取った技は試合では使わない。「練習でしてない事が試合でだけできることはありえない。練習でしたことしか、試合でできないんです」

休日もほとんど出歩かない。「買い物に行くと歩く。体操の練習では長時間歩かないから、逆に疲れて練習に響く」。体操一筋でストイック。でも、苦手の野菜はあまり食べない。「そこは変えないです。体調崩したら、気持ちで治す。食事は大事だと思ってないんで」。寮は今でも4人部屋。「一人は絶対いやです。話し相手がいないと暇だから」。
つかみどころのない21歳だ。
posted by ぶるうらぐん at 00:27| Comment(0) | 体操(内村航平) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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